今回は、前回に続き拙著「1万人の脳画像を見てきた脳内科医が教える 発達凸凹子どもの見ている世界」(Gakken)から、子どもにとっての、家族、学校といった環境の重要性についてお話しします。

 幼少期、私には幾重にも弱みがありました。例えば、人の話が長く聞けない。国語の時間は時計を見る時間。音楽のハーモニカは吹いたふりをする時間。音読は地獄で「おじいさんは山へしばかりに」なんて文章も「お じ い さ ん は…」と、1字ずつしか読めなかったのです。

 さらに「左利き」。自分では困っていなかったものの、周りが特別視する昭和時代の環境はむごいものでした。左利きに生まれ、「なんで右利きではなく左利きなんだ...

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