
放射性物質の侵入を防ぐため、2枚の扉が設けられている高浜コミュニティセンター。原子力災害が現実となった際の懸念を住民は抱える=柏崎市宮川
東京へ、首都圏へ世界最大級の原発は電気を送り続けた。新潟県に建つ東京電力柏崎刈羽原発。一体誰のための原発なのか。何をもたらしたのか。新潟日報社は長期企画で、新潟から原発を巡る疑問を考えていく。プロローグでは「住民避難」を考える=敬称略=。(住民避難編・10回続きの6)
原発事故が起きれば避難する5キロ圏原発などの施設で異常事象が発生した際、事故のレベルに基づいて、放射性物質放出の有無にかかわらず屋内退避、避難などの予防的防護措置が迅速に行えるように準備する区域。新潟県内では「即時避難区域」。PAZとも呼ばれる。PAZは、英語のPrecautionary Action Zone=予防的防護措置を準備する区域=の頭文字。の地域には、具体的な懸念を抱えたままのケースもある。
東京電力柏崎刈羽原発の北約3キロに立つ新潟県柏崎市宮川の高浜コミュニティセンター。原発事故時、高齢者など自力ですぐに避難するのが難しい「要支援者」の一時退避施設になる。集会室などに65人を収容できる2階建...
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