
新潟県の避難委員会がまとめた報告書「テロリズムと避難における論点整理」の記述
東京へ、首都圏へ世界最大級の原発は電気を送り続けた。新潟県に建つ東京電力柏崎刈羽原発。一体誰のための原発なのか。何をもたらしたのか。新潟日報社は長期企画で、新潟から原発を巡る疑問を考えていく。プロローグでは「住民避難」を考える=敬称略=。(住民避難編・10回続きの10)
東京電力福島第1原発事故を巡る新潟県独自の「三つの検証避難委員会、健康・生活委員会(健康分科会、生活分科会)と新潟県技術委員会が担った。技術委員会は福島第1原発事故前から設置されている。福島事故後に福島第1原発事故原因の検証が求められた。2017年に避難と健康・生活の2委員会が加わり、「三つの検証」となった。3委員会を総括する形で検証総括委員会が総括する予定だったが、委員会と県が対立。総括委員会は事実上消滅した。23年9月、県が検証を取りまとめた総括報告書が公表された。」の一つ、原発での重大事故時の避難方法を検証する委員会は2022年9月21日、知事の花角英世(65)に報告書を提出した。
2017年から足かけ6年、24回の議論をまとめた報告書には異例の記述がある。「テロリズムと避難における論点整理」...
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