
兵庫県の西宮市役所前に立つ戸口京子さん。阪神大震災後、西宮市役所を拠点に災害ボランティアに参加したのが、活動の原点だ=1月16日
1995年の阪神大震災から1月17日で30年となった。兵庫県西宮市の大学職員戸口京子さん(58)は自宅が被災する中、震災ボランティアに参加。2007年の中越沖地震で被災した新潟県刈羽村など全国で救援活動を展開し、顔の見える関係を続けている。「30年間のつながりに感謝し、身の丈に合った支援を続けたい」。節目を前に、気持ちを新たにしている。(本社取材班・平賀貴子)
「17日が近くなって震災の映像や写真を見ると、当時の惨状を鮮明に思い出す。ここは私の原点です」。1月16日夜、戸口さんは阪神大震災後にボランティアの拠点となった西宮市役所を見つめた。
30年前の「あの時」、西宮市の自宅で被災した。震度7の激しい揺れでベッドから飛び起き、倒れた家具を避けながら外に出た。
町内のほとんどの家が「全壊」だった。2階部分が道路に崩れかかった家や、ドアが開かず自宅に閉じ込められた人…。水を求めて歩き回ると、マンションの倒壊現場で泣きながら名前を叫んでいる人がいた。
歩きながら、涙がボロボロ出た。「私の町は、立ち直れないかもしれない」。復興する姿は、描くことができなかった。
一部損壊だった自宅は震災直後、「避難所」として開放した。近所の人たちと10日間ほど共に生活した。
身の回りが落ち着いた頃、...
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