
むき出しの鉄骨が見える東京電力福島第1原発1号機=7月29日、福島県大熊町(写真映像部・永井隆司)
東京電力は29日、福島第1原発の処理水東京電力福島第1原発1~3号機の溶融核燃料(デブリ)を冷やす注水などが原因で発生した汚染水を多核種除去設備(ALPS)で浄化した水。トリチウムは除去できず、他の放射性物質もわずかに残る。敷地内のタンクでの保管量は約134万トンと容量の98%に達し、2023年8月24日に海への放出を始めた。の海洋放出福島第1原発事故により、発生し続ける汚染水から除去できる放射性物質を取り除いた「処理水」を薄めて海に流すこと。除去できないトリチウムの濃度が国の基準の40分の1未満になるよう海水で薄め、海底トンネルを通して原発の沖約1キロで放出する。東電の計画では2051年まで続ける。から8月で2年となるのを前に、構内を新潟日報社に公開した。福島第1原発事故2011年3月11日に発生した東日本大震災の地震と津波で、東電福島第1原発(福島県大熊町、双葉町)の6基のうち1~5号機で全交流電源が喪失し、1~3号機で炉心溶融(メルトダウン)が起きた。1、3、4号機は水素爆発し、大量の放射性物質が放出された。から14年が経過し、構内の多くの場所で放射線量は低下。この日も本年度2回目となる処理水の海洋放出が行われていた。構内のタンクで貯蔵する処理水の減容は廃炉を進める上で重要だが、貯蔵量の減少率はまだ4%に満たず、道のりは遠い。(論説編集委員・仲屋淳)
福島第1原発では、事故後しばらくは敷地内の立ち入りに防護服着用が必要だったが、現在は約96%のエリアで一般作業服で業務ができるようになった。
29日は、原発入り口の放射線量は...
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