ダライ・ラマ14世(右手前)と面会したナムキさん=2023年7月、インド・ダラムサラ(本人提供・共同)
 ダライ・ラマ14世(右手前)と面会したナムキさん=2023年7月、インド・ダラムサラ(本人提供・共同)
 亡命体験を語るナムキさん=7月、インド・ダラムサラ(共同)
 2008年3月、中国甘粛省夏河の街頭をデモ行進する僧侶ら(Phayul提供・共同)(画像の一部を加工しています)
 2008年3月、中国甘粛省夏河でデモ行進する僧侶らを阻止しようと取り囲む警察部隊(Phayul提供・共同)
 インド・ダラムサラ、中国チベット自治区・ラサ、ネパール

 チベット仏教最高指導者ダライ・ラマ14世(90)が居を構えるインド北部ダラムサラには多くの亡命チベット人が集まる。その一人、ナムキさん(25)は15歳の頃、中国でチベットの自由を求める声を上げただけで拘束され、16歳から3年間獄中生活を過ごした女性だ。青春の一時期を奪われたが「後悔はない」と振り返り、民族の誇りを持ち続けている。

 2015年10月、ナムキさんは中国四川省アバ・チベット族チャン族自治州でダライ・ラマの肖像画を掲げ、チベットの自由を訴えるデモ行進に参加した。始まって10分もしないうちに4、5人の警察官に拘束された。

 ナムキさんにとって拘束は遠い世界の出来事ではなかった。チベット自...

残り740文字(全文:1040文字)