大阪刑務所の受刑者が「堺緞通」で織り上げた、チェコの画家ミュシャの油彩画を模した作品。左は原画=7月、堺市の「堺アルフォンス・ミュシャ館」
 大阪刑務所の受刑者が「堺緞通」で織り上げた、チェコの画家ミュシャの油彩画を模した作品。左は原画=7月、堺市の「堺アルフォンス・ミュシャ館」
 大阪刑務所の受刑者が「堺緞通」で織り上げた、チェコの画家ミュシャの油彩画を模した作品=7月、堺市の「堺アルフォンス・ミュシャ館」
 「堺緞通」を織る堺式手織緞通技術保存協会の安藤敏子さん=7月、堺市
 「堺緞通」を織る堺式手織緞通技術保存協会の安藤敏子さん(右)ら=7月、堺市

 後継者不足に悩む伝統工芸の職人技を、大阪刑務所(堺市)の受刑者が継承している。江戸時代から伝わる「堺緞通」と呼ばれる織物で、2006年に大阪府無形民俗文化財にも指定された。全てが手作業で根気や繊細さが求められるため、一つ仕上げるのに2年以上かかることも。刑務所の担当者は「出所後の自信につながれば」と、更生の役割も期待している。

 大阪刑務所に併設する工場の一角。数人の受刑者が、刑務作業の一環として1日約8時間、いすに座って黙々と織り機と向き合う。ぴんと張った無数の木綿の縦糸に、色鮮やかな横糸を慣れた手つきで編み込んでいく。

 緞通とは中国から伝来した織物の一種で、じゅうたんや家具の装飾などにも使...

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