農業は、若い世代、進取の精神にあふれた人々や企業が参入を希望する魅力的な産業に生まれ変わることができるだろうか。少なくとも、そういう新たな農業像が展望できる段階にはたどり着きたい。
現在、コメ農家の過半は70歳超。今回のコメ増産に向けた農政転換の表明は、再建に向けたキックオフとしてタイミング的にはぎりぎりだ。政府、特に具体策を担う農林水産省は「これが最後、もう後はない」との覚悟と責任を持って、取り組む必要がある。
支援対象の選定や公費による補助の規模、適切な米価の水準、農地などの規制の在り方については立場の違いからさまざまな考え方が噴出するはずだ。何を優先するのか、大きな方向性を定めて、個々...
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