【トランプ氏の高官更迭】自由殺す恣意的解任

　トランプ米大統領は官僚機構を「天領」にしたいのか。大統領は行政府の長だから、人事権行使は許される。だが、それは公正に行われるべきだ。統計を不服として、責任者の解任を命じたのは恣意的に過ぎる。

　米労働省は５月と６月の就業者数を大幅に下方修正した。トランプ氏は「共和党と私を悪く見せるために操作された」として担当局長解任を指示。独立性が重視される連邦準備制度理事会（ＦＲＢ）のパウエル議長辞任も重ねて求めた。

　トランプ氏は就任直後から、官僚機構に大なたを振るってきた。実業家マスク氏が率いた特別組織「政府効率化省（ＤＯＧＥ）」は“無駄”撲滅を名目に、人員や予算を大胆に削減した。

　リストラの手法は強引そ...