
保阪正康さん
今回の参議院選挙の結果を見て、意外な事実に気がついた人はどれだけいるであろうか。
結果を受けて、政局を分析する報道はいつも通りである。具体的には、石破茂首相はいつまで続投するのかという論じ方である。1955年の結党以来、自民党が衆参両院で少数与党となるのは初めてのことだから、政局に焦点が絞られるのはおかしくはない。
しかし私が「意外な事実」というのは、今回の選挙が二つの特徴を有していることを指している。第一に、これほど現代日本の国民意識が鮮明になった選挙はないという点。もう一点は選挙が欲求不満のはけ口になっているということだ。
今年は「昭和100年」とか「戦後80年」とか言われる節目の年でも...
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