平和公園を訪れ、平和祈念像の前で手を合わせる園児たち=8月8日午後、長崎市
 平和公園を訪れ、平和祈念像の前で手を合わせる園児たち=8月8日午後、長崎市

 広島と長崎への原爆投下から80年。「長崎を最後の被爆地に」という、何十万人もの原爆犠牲者のせめてもの願いを、これから先も踏みにじらないために、惨禍の歴史が今に示す教訓を共有できればと思う。

 長崎市の国立長崎原爆死没者追悼平和祈念館の特別展で、1975年放送のインタビュー映像を見た。地元民放が、米国ボストンで友人と革製品販売店を経営するチャールズ・スウィーニー氏に面会取材した内容だ。

 50代半ばの男性。愛嬌のある顔つきで、ごく普通の善良な米国人に見える。

 「長崎への原爆投下は必要だったのでしょうか?」。そう問う日本人記者の目を真っすぐ見据えて、諭すように語った。

 「米国人の大多数は終戦を大喜び...

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