北海道福島町の公園そばに設置された「危険 熊出没注意!」の看板=7月14日
 北海道福島町の公園そばに設置された「危険 熊出没注意!」の看板=7月14日

 北海道福島町で7月12日に、新聞配達員が住宅の玄関先でヒグマに襲われて死亡してから1カ月になる。事故は、人口減で荒廃する里山を生息域に収めたヒグマが、想定以上のペースで住宅地に迫っていることの裏付けだ。北海道や東北を中心に相次ぐクマ被害は、かつての境界線だった林道や畑ではなく、人間の生活圏で起き始めている。住宅地に入り込ませない対策が急務だ。

 函館市から車で1時間半ほどの福島町は千代の山、千代の富士と大相撲の横綱2人を生んだ人口3千人強の町。襲撃後、住民らは外出を控え、夏祭りや学校の屋外活動、海開きが見送られた。

 町は海岸線近くまで山が迫り、平地はわずかだ。元々、人間の生活圏とクマの生息域が...

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