
インベスコ・アセット・マネジメントの木下智夫グローバル・マーケット・ストラテジスト
日経平均株価が最高値を更新した背景には、トランプ米政権が発動した新たな対日相互関税の税率を巡る不透明感の後退がある。透明感を欠いたままでは、日本企業の収益を含む景気全体への懸念は拭えない。だが日本側の働きかけで税率に関する日米間の齟齬が解消に向かう公算が大きくなり、投資家が景気の先行きに楽観的な見方をするようになった。
相互関税について、日本側は7月の日米合意に基づき既存の税率が15%未満の品目は一律15%になり、これ以上の場合は上乗せされず従来の税率が維持されるとしていたが、実際には既存税率に関係なく15%の関税が上乗せされている。このため日本側は合意に沿った対応を申し入れ、米国側が善処す...
残り916文字(全文:1216文字)