「心の鎧の下ろし方」
 「心の鎧の下ろし方」

 生きていると、大なり小なり傷つくし、その傷口にかさぶたができ、治る間もなくまた傷ついて、を繰り返すうちに、心がすっかり「鎧」のようなものに覆われている―。中年になったわが身を振り返るまでもなく、タイトルにある「心の鎧」は容易にイメージできる。

 著者は、長く母子保健に関わってきた疫学者。本書では、ブラジルでの結婚生活や子育て、敬愛する人の死、日本での24年にわたる教員生活を経て、沖縄県竹富島に落ち着いた著者が日常で得た大事な気づきや考え方をお裾分けしてくれる。

 人が鎧をまとい始めるのは、思っているよりも早いようだ。小学校中学年になるころにはすでに「よごれ」が身に付き、やがてそれが累積して鎧に。...

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