「さまざまな権利や自由の根底には移動がある」と話す伊藤将人さん
 「さまざまな権利や自由の根底には移動がある」と話す伊藤将人さん
 「さまざまな権利や自由の根底には移動がある」と話す伊藤将人さん
 「移動と階級」を刊行した伊藤将人さん

 通勤通学や買い物、旅行に引っ越し、就職、留学…。暮らしに不可欠な「移動」に着目し、格差を捉えた「移動と階級」(講談社現代新書)を国際大GLOCOM研究員で社会学者の伊藤将人さんが刊行した。「移動は人生における可能性や選択肢を広げるものだからこそ、その格差が社会や地域の課題に影響している」と説明する。

 約3千人の調査から、社会階層と性別が移動格差に密接に関係していることを明らかにした。移動を巡る認識や価値観にも注目している。「移動の自由をめぐる差は自己責任か」という問いには、51・5%の人が「自己責任」だと回答した。

 一方、調査では移動を妨げる要因に、持病や障害、育児、低収入、公共交通機関の不...

残り385文字(全文:685文字)