北朝鮮の人権問題に取り組む一般社団法人「Free2move(自由往来の会)」共同代表の洪敬義さん
 北朝鮮の人権問題に取り組む一般社団法人「Free2move(自由往来の会)」共同代表の洪敬義さん
 日本人学生らに生い立ちを語る脱北者の男性(手前)=6月、大阪市生野区

 大阪市を拠点に北朝鮮の人権問題に取り組む一般社団法人「Free2move(自由往来の会)」が、日本で脱北者が語る機会を増やそうと奔走している。若者同士の交流やポッドキャストで圧政下の生活実態を発信。共同代表の洪敬義さん(66)は、日本では北朝鮮の軍事開発には注目が集まるが「現地で今生きている人への関心も持ってほしい」と話す。

 「朝起きたら、今日は何をして食べていくかということしか考えないので、国が悪いと思ったことがない」。6月に大阪市内で開かれた勉強会。2017年に脱北した男性(29)が生い立ちを語ると、日本人学生らが驚いた様子で聞き入った。

 6歳で母と生き別れ、養子に出された。生活は貧しく...

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