東京の上野駅に掲げられた、壁画「自由」の修復中を示す横断幕=6月
 東京の上野駅に掲げられた、壁画「自由」の修復中を示す横断幕=6月
 東京の上野駅にある猪熊弦一郎の壁画「自由」(JR東日本提供)
 東京の上野駅で修復中の壁画「自由」を見る古野華奈子さん=6月
 東京の上野駅で修復中の猪熊弦一郎の壁画「自由」=6月
 東京の上野駅で壁画「自由」を修復する作業員=6月
 東京の上野駅で壁画「自由」を修復する作業員=6月

 戦後の復興期に人々を励まそうと、昭和を代表する洋画家、猪熊弦一郎(1902~93年)が東京の上野駅に「自由」と題し描いた壁画の修復をJR東日本などが進めている。中央改札から見上げる幅約27メートルの壁面に人物や動物をちりばめたユーモアあふれる意匠で、時代を超えて親しまれてきた。かつての色彩を取り戻し「駅とともに歩んだ美術品を残したい」と同社の担当者は話す。

 6月、屋根の形に沿った五角形の壁画は幕に覆われ、裏に組まれた足場で作業が行われていた。湿気や天窓からの日光で劣化が激しく、浮いた絵の具に薬剤を塗って色を残し、はがれた部分は塗り直す。修復は本年度中に完了する予定という。

 壁画は、太平洋戦争...

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