
デイサービス「カモミールハウスばらの湯」を運営する和田由佳さん=4月、長野県松本市
老若男女に愛される銭湯。後継者不足や施設の老朽化で減少を続けているが、内装や元々の造りを生かし、廃業した銭湯をリノベーションする取り組みが広がりを見せている。福祉や飲食など、「転身」した業種はさまざま。「銭湯業界を盛り返したい」。経営者たちの熱い思いが沸き上がっている。
「かゆいところとか、痛いところは?」。4月、長野県松本市のデイサービス(通所介護)「カモミールハウスばらの湯」の浴室で、職員が高齢女性の背中を洗いながら優しく語りかけた。壁一面の「富嶽三十六景」(葛飾北斎)のタイル絵が目を引く。
ここはかつて地域住民に長年愛された銭湯だった。廃業したことを耳にしたため、介護施設を複数運営する...
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