「SDGs」(持続可能な開発目標)というとなにやら難しく聞こえるかもしれませんが、つまりは地球環境に優しい生活を送ろうというものです。「きょうも あしたもSDGs」のコーナーでは、各家庭で気軽に実践できるエコな暮らし方につながるヒントを紹介します。

 近頃よく耳にする「SDGs」。地球環境が大変な状況になっていると感じる一方で、自分に何ができるか分からない、という人も多いのでは。2021ミス・アース・ジャパン新潟準グランプリの山上恵里果さんに、サステナブルライフの考え方や始め方を教えていただきました。

SDGsSustainable Development Goals(持続可能な開発目標)

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山上 恵里果 さん
 1996年青森県弘前市出身。高校卒業後、進学のため長岡市へ。2019年、第7代越後長岡「雪の女王」に就任(現在は越後長岡「スノーアンバサダー」に名称変更)。2021年、ミス・アース新潟大会準グランプリ獲得。長岡市在住、在勤。料理が大好きで食物調理技術検定1級も持つ。

長岡の観光大使から
ミス・アースへ

 そもそもミス・アースは環境保護の意識向上と浸透を目的としていますが、私自身はそこに興味があって出場したわけではないんです。長岡の観光大使を務めていたご縁で出場のお誘いをいただいて、そこで初めてSDGsを知り、「じゃあ勉強してみようかな」という気持ちで始めました。

 昔から興味があったのはオーガニック食品。血も肉も骨も、体に入る食品で作られますから、少しでも良いものを取り入れて自分の体を大切にしたいという思いがありました。SDGsについて調べるうちに、オーガニック食品は体だけでなく環境にも良いと知りました。農薬を使わないので土に良いし、土を通る水にも良い。「環境問題と健康ってつながっているんだ」と気付いた瞬間でした。

 SDGsを難しく考える人もいると思いますが、実際の生活を振り返ると、私のように知らず知らずのうちに環境問題につながっていることやものは結構あると思います。

達成感を味わえる
サステナブルライフ

 何から始めたら良いか分からない人にお勧めなのが、第三者機関が審査をして合格した商品に対して与える「サステナブルラベル」を探しながらの買い物。パッケージ裏の表示を見て「この商品はサステナブルかどうか」を見分けるのは難しいですが、このラベルが付いていれば環境に配慮された商品とひと目で気付けます。いつものスーパーで「この商品にも付いてたんだ!」と見つけるのが楽しくなったり、新しい発見につながったり、ものを選ぶ視点が変わってきましたね。

 私は料理が好きなのですが、料理をする中でも取り組めることはたくさんあります。例えば野菜の扱い方。ニンジンを皮ごと使うのはもちろん、ヘタもぶつ切りではなく、包丁の持ち手に近い角を使ってくり抜くようにすると食べられる部分が増えます。ナスも上を少しだけカットして、ヘタをむくようにして取り除きます。食材を無駄にせずに生ごみを減らせたときの達成感は大きいですよ。

自分への投資として
オーガニックを選ぶ

 サステナブル商品は値段が高い、というのも分かります。全てを切り替えるのは難しいですよね。私は、今日持ってきたカップ(右ページで紹介)のように、毎日使うものや、オリーブオイルやしょうゆなど加熱しないで食べる場合もある調味料は、なるべくオーガニックを選ぶようにしています。特に食品は、将来の健康と美容への投資と思っています。自分へのご褒美として買ってみるのも良いですし、始めるきっかけはいくつもありますよね。

 一人で大きなことを成し遂げようと思うのではなく、自分の興味のある分野で少し意識と行動を変えてみる。それだけで一人一人の取り組みが積み重なって、大きな影響力になると思います。

山上恵里果さんのサステナブルな日々

カラダもココロも軽やかに

フードロス削減に 無駄なく食べてごみを減らそう

 下の料理を作って出た生ごみが、たったこれだけ!(写真右下)レンコンやニンジンの皮、飾り切りにしたレンコンの端の部分はごはんと一緒に炊き込むと軟らかくなり、無駄なく使い切れる。

お部屋スッキリで節電 整理整頓は省エネに

 床に置くものを減らして部屋をきれいに保てば、掃除機がけが短時間で済み節電になる。床置きの家具はできるだけキャスター付きを選択。

使い捨てカップの代わりに 自然素材を持ち歩く

 竹やトウモロコシの繊維で作られたecoffee cup ®に毎朝コーヒーを入れて出勤。軽くて丈夫で見た目もおしゃれ。

洗い物を減らすシリコンバッグ 節水できて保存も楽!

 100円ショップで人気のシリコン保存袋は、ドレッシングや塩こうじ作りに活用。混ぜる作業と保存がこれ一つでできる。

食品もサステナブルを意識 認証マークをチェック!

 イタリアやEUのオーガニック認証マークがついたオリーブオイル。加熱しないで食べる場合もある食品は、できるだけオーガニックを選択するのが山上さん流。他にも養殖水産物を守るためのASC認証、適切に森林管理されていることを示すFSC認証などがある。

きょうから始められる3つのポイント

  1. サステナブルラベルをチェック!
    環境に配慮して生産、製造されたことを示すサステナブルラベルの付いた商品の購入は、企業の取り組みを応援する意思表示にもなる。
  2. オーガニックショップに行ってみる
    環境に配慮した商品を知る良い機会。環境や健康についての情報もキャッチできる。
  3. まずは小さな一歩から
    大きなことをやろうとせず、たとえば料理や美容など、自分の好きなジャンルや身近な分野から意識を変えてみよう。

(assh 2022/5/12 掲載)