脱炭素化を広める大学生「ゼロチャレ30士」とは?

 「にいがたゼロチャレ30 」は、温室効果ガスの排出を削減し、将来の世代に自然豊かな環境を引き継いでいくことを目標に県が進めるプロジェクトの一つ。そのブースを運営していたのは「ゼロチャレ30士(さんじゅうし)」としてプロジェクトをサポートする学生たちでした。
  私たち一人一人が日常生活の中でできる30の脱炭素行動を新潟県版としてまとめたもの

木や松ぼっくりなど自然の素材を使った「木とふれあい工作」に子どもたちは大喜び

 敬和学園大学と新潟国際情報大学の学生が「ゼロチャレ30士」として協力し、地球温暖化対策や県の取組を県民に広く伝える活動を展開しています。参加メンバーの一人である新潟国際情報大学3年の中澤幸也さんにお話を伺いました。

「環境保全を意識するようになってから行動が変わりました」と話す新潟国際情報大学の中澤さん

 大学3年の春からSDGs関連のゼミを専攻し、「ゼロチャレ30士」の課外活動がスタート。この夏は、県内在住の子どもたちに脱炭素の大切さを伝えてきました。「佐渡の小学生にSDGsの取組を教え、上越市みどりのフェスティバルでは廃棄されるマヨネーズの容器を使って子どもたちと一緒に遊びました。今年から車を運転するようになったので、急発進・急停車はせず、車間距離はゆとりを持つようにしてエコドライブを心掛けています」。環境に配慮した活動を伝え広めることで、自分自身の学びが深まっていくのを肌で感じているようです。

 他のブースでも、プラスチックによる海洋汚染、成熟した木を切り、新たに木を植え、育てることで脱炭素に貢献できることなど、各ブースでの体験から自然と「カーボンゼロ(温室効果ガス排出量実質ゼロ)」などについて考えるきっかけになっていました。

新潟コンピュータ専門学校の学生が県と共同開発したカーボン・オフセットについて学べるVRゲーム

マリンピア日本海のブースでは、海岸の砂からマイクロプラスチック探しを体験

ねば〜る君と一緒に
楽しくカーボンゼロを学ぶ

 「にいがた環境フェスティバル2022」には新潟のご当地キャラクターたちも登場し、ステージに華を添えました。「にいがたゼロチャレ30」をPRするグリーンレルヒさんと茨城県から駆け付けてくれたねば〜る君がステージに登壇したのはカーボンゼロについて楽しく学べる「カーボンゼロ学校」の時間。アイドルとゆるキャラをつなぐゆるドルの寺嶋由芙(ゆふ)さんが先生となり、生徒として亀井志乃さんも参加。難しいテーマもテンポ良く紹介していました。

カーボンゼロを目指した対策をおもしろく分かりやすく学べた「カーボンゼロ学校」
納豆の妖精・ねば〜る君の鮮やかな伸びにはグリーンレルヒさんもビックリ!

 「地球温暖化が進むとどうなる?」という質問に「暖かくなっていいネバ!」とボケで返したねば〜る君。驚くと「ネバ〜」と高くまで足が伸びて会場を沸かせました。

廃棄資源を活用したエコな製品を各ブースでゲット

 気が付けば手に持っていた鞄はパンパン。その理由は、出展していた企業や団体が未来への思いを込めてリサイクルしたエコグッズなどをたくさん受け取っていたからでした。下水処理から発生する汚泥を再利用した肥料に、海洋プラスチックゴミから作られた「プラスチックスマート」のエコバッグ。そして、廃棄される米を活用したボールペン…。各業界で、「廃棄物を資源として活用する」ことに発想が転換されているようです。

 照明はLEDにする、エアコンの温度設定は夏場なら室温28℃、冬場は室温20℃を目安に調節するなど、今すぐ始められる小さな心掛けが地球温暖化を食い止める一手になるかもしれません。環境問題は大きな社会課題ですが、一人一人がいかに問題を「自分ごと」にできるかがポイントです。自然豊かな新潟県を守り、後世へ引き継いでいくために、一緒に未来へつながる行動を継続していきましょう。