Jマテ.ホールディングス(上越市)の前身、山本商店の創業者山本耕作氏の長男の秀樹氏(72)は、東京の大学で学び、さいたま市のリサイクル業者で修業していた。

 1970年代半ばに呼び戻され、山本産業に入社。取引先の総合商社日商岩井(現双日)に出向し、銅の原料や製品などを扱う部署で3年間修業した。この縁が大きな仕事を呼び込むことになる。

 山本産業に戻った秀樹氏は80年ごろ、日商岩井時代の先輩から、銅合金のインゴット(塊)よりも付加価値の高い銅合金連続鋳造品を造る設備を買わないかと持ちかけられる。

 連続鋳造品は、金太郎あめのように一定の形の製品が連なったもので、それを手がけるメーカーは日本に数社しか...

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