
「この子が生きていたら、どれだけ社会に貢献しただろうかと考える。遺影の前では命の大切さを痛切に感じる」と話す初代館長の古田島吉輝さん=長岡市城内町2の長岡戦災資料館
1945年8月1日にあった「長岡空襲」からことしで78年となる。2003年に開館し、7月12日で20周年を迎えた新潟県長岡市の長岡戦災資料館(城内町2)は、運営ボランティアら市民の力を結集し、活動を展開してきた。体験者や犠牲者の遺族が高齢となる中、空襲の悲惨さを忘れず、資料館を核に平和への思いをつなぐ取り組みが広がる。20年の軌跡は未来に託す財産となっている。(2回続きの2回目)
戦災の体験者や犠牲者遺族が高齢化する中で、78年前にあった長岡空襲の記憶をどう継承するのか。長岡市の長岡戦災資料館(城内町2)は、若い世代の取り組みと連携を強めている。
「栃尾からも救援物資が届けられ、復興を支えたよ」「長岡まつりに込められた慰霊の意味をよく覚えて」。6月中旬、長岡市栃尾地域の秋葉中学校で開かれた長岡青年会議所(JC)による平和学習の出前授業。JCメンバーの佐藤洸太さん(36)が講師となり、1年生37人に呼びかけた。
長岡JCは、空襲があった8月1日に毎年開く柿川灯籠流しを主催し、2014年には出前授業も始めた。遺族に向けた...
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