能登半島地震の被災地から上越市の畜産家に引き取られた雌牛=上越市牧区
能登半島地震の被災地から上越市の畜産家に引き取られた雌牛=上越市牧区

 新潟県上越市や妙高市などの畜産農家が、能登半島地震で被災した石川県能登町の牧場からブランド牛「能登牛(うし)」を買い取り、飼育している。現地の牧場で牛舎などが損壊し育てられなくなったためで、牛を引き取った関係者は「手塩にかけて育てた牛を手放す牧場主のつらさは計り知れない。被災した畜産農家の助けになれば」と話している。

 能登町は最大震度6強を観測し、山あいで約100頭の牛を育てていた「柳田肉用牛生産組合」が被災した。牛舎をはじめ、牛に飲み水を自動で補給する水道管や装置も壊れたため、人力で水を運んだり、牛に雪を食べさせたりした。

 土砂崩れで道路が寸断されて飼料を補充できない状況が1カ月近く続き、...

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