
複合災害時の避難などについて講演する田中俊一さん=3月2日、柏崎市駅前2
地震や津波に原子力災害が重なる複合災害の避難について考える講演会が3月2日、新潟県柏崎市の産業文化会館で開かれ、原子力規制委員会原発推進を担う経済産業省から安全規制の役割を分離させ、原子力規制に関する業務を一元化した組織。東京電力福島第1原発事故を受けて発足した。国家行政組織法3条に基づき、人事や予算を独自に執行できて独立性が高い「三条委員会」として環境省の外局に位置付けられる。衆参両院の同意を得て首相が任命する委員長と委員4人で構成する。の初代委員長を務めた田中俊一さん(79)が講演した。東京電力福島第1原発事故2011年3月11日に発生した東日本大震災の地震と津波で、東電福島第1原発(福島県大熊町、双葉町)の6基のうち1~5号機で全交流電源が喪失し、1~3号機で炉心溶融(メルトダウン)が起きた。1、3、4号機は水素爆発し、大量の放射性物質が放出された。後に策定された原発に対する新規制基準東京電力福島第1原発事故を教訓に、原子力規制委員会が新たに策定した基準。2013年7月8日に施行された。従来の指針などが見直され、炉心溶融や放射性物質の大量放出といった重大な事故への対策や、地震、津波対策を強化した。原発を再稼働させるためには新基準に適合していることが条件となった。審査は原子力規制委員会が行う。新たに建設される原発にも適用されるほか、既存の原発にも適用される。で、放射性物質が大量に飛散することを抑える対策を講じていると説明。複合災害時には「原子力災害を忘れて、自然災害から命を守ることに専念してほしい」と述べた。
1月の能登半島地震で...
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