人口減少が進む中、新潟県経済はインフラやコンテンツを生かし、人や企業をいかに呼び込むかが課題となっている。選ばれる地域に向け、エリアの価値向上を目指す新潟県内各地の「狂想曲」を追う。(7回続きの5)

 「『日本一おいしい球団』を目指す」。2023年10月、野球の新潟アルビレックスBCへの資本参加とネーミングライツ(命名権)取得を決め、記者会見に臨んだ食品宅配大手「オイシックス・ラ・大地」(東京)の髙島宏平社長は力を込めた。球団は翌11月、日本野球機構(NPB)日本のプロ野球のリーグ戦を行うセントラル・リーグとパシフィック・リーグを統括する一般社団法人。日本では一般的に「プロ野球」という場合はNPBが統括するものを指すが、NPBとは別に各地にプロ野球リーグが存在する。から2軍戦参加を正式に認められた

 NPBへの参加を目指したアルビBCはオイシックスの支援を受け、課題だった資金面で一定のめどを付けた。プロ野球での露出を通じ、男性への認知度向上を図りたいオイシックスと思惑が一致。球団名は「オイシックス新潟アルビレックスBC」に決まった。

 プロスポーツを起爆剤に、企業が事業拡大や地域経済活性化を図ろうとする動きが全国で広がっている。

記者会見で新球団名を発表した新潟アルビレックスBCの池田拓史社長(右)とオイシックス・ラ・大地の髙島宏平社長(中央)、新潟アルビレックスBCの橋上秀樹監督=2023年10月、東京

 オイシックスは...

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