波打ち、大きな亀裂が入ったままの私道。復旧に頭を悩ませる住民は多い=新潟市西区
波打ち、大きな亀裂が入ったままの私道。復旧に頭を悩ませる住民は多い=新潟市西区

 能登半島地震による液状化水分を多く含んだ砂質の地盤が、地震による強い揺れで液体のように流動化する現象。地表に水や砂が噴出したり、地盤が沈下したりする。土管やマンホールが浮き上がることもある。埋め立て地や干拓地など、緩い砂質で地下水位が高い場所で起こりやすい。条件を満たせば内陸でも発生する。1964年の新潟地震では橋や鉄筋コンクリートの建物といった大型構造物が崩れ、対策工法の開発が進むきっかけになった。阪神大震災や東日本大震災でも発生した。被害を把握する新潟日報社の1300棟調査で、新潟市西区寺尾地区を歩いた。地震発生から約2カ月がたっても液状化の爪痕は深く、「私道」の復旧は進んでいなかった。市の支援制度はあるが、土地の権利関係が絡むため復旧を単独で判断するのが難しいケースがあり、対応に頭を悩ませる住民もいる。(報道部・坂井有洋)

 大きく波打ち、アスファルトが裂けた道路は、地震発生直後と変わっていなかった。「私道だが、多くの人が抜け道に使っている。市は直してくれないし、どうすればいいのか」。自宅前の私道のほぼ全体に隆起や亀裂が生じた男性は、そうこぼした。

 道の両側には計8軒が並ぶが、...

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