政府は東京電力福島第1原発事故の発生以降に掲げていた「原発依存の低減」を改め、原発を最大限活用する方針に転換しました。12月からは新潟県の柏崎市と刈羽村に立地する東電柏崎刈羽原発の再稼働に向け、資源エネルギー庁が新潟県内28市町村を回って説明会を開く異例の対応を行っています。

 こうした動きや再稼働問題を新潟県民はどう受け止めているのでしょうか。新潟日報社では、全会場の様子を取材し、質疑応答で語られた率直な声を順次紹介していきます。

【十日町会場の主な質疑】

参加者 39人
回答者 資源エネルギー庁原子力立地政策室長

資源エネルギー庁からの柏崎刈羽原発に関する説明後に質問する県民(右手前)=2024年12月10日、十日町市の道の駅クロステン十日町

 Q(女性) エネルギー政策を原発から離れた再生可能エネルギーに転換すべきではないか。

 A 再エネ、原子力は脱炭素、エネルギー安全保障に資する電源。安全最優先は当然だが、どちらも活用していくというのが政府の方針だ。

 Q(男性) 屋内退避の指針変更について、地方自治体への説明や協議の場はあったのか。

 A 自治体から原子力規制委員会での検討について意見の募集が行われた。これを基に考え方を整理しようと規制委が動いている。対話の中でよりよい運用の在り方を見つけることが非常に重要と考える。

 Q(同) 三つほど意見がある。一つは電気が足りないことを前提に原発を(再稼働)というのは論理的に飛躍があると考える。二つ目は東電に本当に原発を運転する資格があるのか。三つ目は、再エネについて、もっと舵の切り方を考えて、自然エネルギーの普及に当たるべきだ。

 A 1点目について、何も原子力に限った説明をしているわけではない。再エネも含め、どちらかということではなく、安定供給、脱炭素の観点から安全最優先に進めていくことが大事だと考える。2点目の東電の信頼性の問題は、課題の一つとして考えており、9月の原子力関係閣僚会議でも議論があった。政府としてモニタリング体制を検討するよう指示が出ている。不安の声を踏まえながら対策を考えていきたい。3点目の再エネについても最大限広げていく方針。(原発に対する)不安の声も多いので、新しい太陽光パネルの開発も含めてしっかりと取り組んでいく方針だ。

 Q(男性) 関東圏に電力を送るのに、新潟県民がリスクを負っているが、東電の電気料金を上げて、新潟県民の電気料金を安くするとか、そういう視点で賛成を求めていく考えはないのか。...

残り1502文字(全文:2468文字)