
かつて少年通信兵が出征する際にくぐった営門を見上げる浅田光雄さん。「戦後80年たち、ここがどんな場所だったか分かる人も減ってしまった」と危機感を抱いている=五泉市石曽根
戦争に関連する遺跡や建物は、戦禍や歴史を今に伝える貴重な「無言の語り部」だ。ただ戦後80年が経過して多くが失われ、現存する物も保管や活用の在り方が問われている。県内に残る戦争遺跡を紹介する。
旧村松町(五泉市)には、明治期に町が誘致した陸軍歩兵第30連隊が置かれた。駐屯部隊が不在になった太平洋戦争末期の1943(昭和18)年10月、村松陸軍少年通信兵学校が開設された。10代の若い通信兵が訓練し、そして多くが戦場に送られ命を落とした。学びやとなった五泉市石曽根の旧兵営前には、歴史を見守ってきたレンガ造りの営門と哨舎(しょうしゃ)が現存。戦争とその悲劇の記憶をとどめている。
村松陸軍少年通信兵学校には、...
残り548文字(全文:852文字)