アリーナの天井パネルが落下した両津総合体育館=佐渡市梅津
アリーナの天井パネルが落下した両津総合体育館=佐渡市梅津

 能登半島地震で最大震度5強を記録した新潟県佐渡市では、一部の体育施設で復旧の見通しが立っていない。今回の地震の震源断層に連なる佐渡沖に近い活断層について、本震政府の地震調査研究本部では「最初の地震(最も大きな地震)」と説明する。一連の地震の中で最も規模の大きいものを指す場合もある。余震最初に発生した地震(最も大きな地震)に続いて発生する小さな地震。余震の規模は本震のマグニチュードより1程度小さいことが多いとされる。本震と近い規模で発生することもある。余震の中で最大規模の地震を最大余震という。本震で倒壊しなかった家屋などが余震で崩れることもあるため、注意が必要。本震が発生する前に本震の震源域となる領域で発生する地震を「前震」という。でも動きが少なかったことから、割れ残っている可能性が高いと指摘する専門家もおり、今後に懸念を抱く声もある。

 佐渡市によると1月31日現在、住宅被害は160棟で、内訳は半壊が12棟、一部破損が148棟。揺れによる瓦のずれや落下、外壁のひび割れなどが多い。住宅以外の納屋や倉庫などへの被害が76件。各産業への被害を含めると計500件ほどの被害が確認された。

 影響が長引きそうなのが体育施設だ。両津総合体育館(梅津)は、アリーナの天井パネル数枚が落下した。残っているパネルも落下する可能性があるため、アリーナの使用を禁止している。使用再開の見通しは立っていない。1、2月は両津総合体育館でバスケットボールなどの大会が予定されていたが、他の会場に変更したという。佐渡スポーツハウス(吉岡)のプールも被害を受け、使用できない状態となっている。

 宿泊施設も約20件の被害が確認された。床が傾くなどしたため宿泊客を受け入れられず、宴会に限って営業しているホテルもある。

 被災地支援で佐渡市は、これまで緊急消防援助隊として消防職員を24人派遣した。家屋被害調査で新潟市にも派遣している。今後、水道職員や看護師の石川県への派遣も予定している。

 佐渡島内では液状化も発生。その影響で通行止めが続いていた通称「臨港道路」(両津湊)約400メートルについて新潟県佐渡地域振興局は1月31日、車道のみ暫定的に通行止めを解除した。

 専門家は、佐渡沖に近い、割れ残った活断層で大きい地震が発生した場合、新潟県には最大で3メートル程度の津波が押し寄せる恐れがあると指摘する。佐渡では海岸線に沿うように集落が点在しており、1月26日の市議会全員協議会では議員から対応の必要性を訴える声が上がった。

 渡辺竜五市長は「大きな地震の場合はすぐに3メートル以上の場所に避難することなどを継続して呼びかける」と答えた。