
能登半島地震は、原発の防災対策への疑問を改めて突きつけた。原発の安全性議論の土台となる地震研究は、どこまで深まっているのか。原発の設備や、事故時の住民避難の態勢は十分なのか。長期企画「誰のための原発か 新潟から問う」の今シリーズでは、自然の脅威が浮き彫りにした課題を検証する。(7回続きの7)=敬称略=
日本列島が4色に色分けされている地図がある。経済産業省が2017年7月に発表した「科学的特性マップ」。原発の使用済み核燃料原発で一度使用した燃料。原発の燃料は原料であるウラン鉱石を加工し、焼き固めた「ペレット」と呼ばれるものの集合体で、使用後も見た目や形は使用前と変わらない。使用済み核燃料の中にはウランやプルトニウムなどのまだ燃料として使える資源が95~97%残っているとされる。を再処理した後に出る高レベル放射性廃棄物(核のごみ)原発の使用済み核燃料からプルトニウムなどを取り出す際に行う、「再処理」と呼ばれる工程で発生する。「核のごみ」とも呼ばれる。を、300メートルより深い地下に埋める最終処分場高レベル放射性廃棄物は、極めて強い放射線を長期間発するため、国は地下300メートルより深い岩盤に埋める地層処分で数万年以上、人間の生活環境から隔離する方針。の適地を示している。
2024年1月1日に最大震度7の地震に見舞われた能登半島はマップ上、「輸送面でも好ましい地域」を示す緑色に区分され、半島のほとんどが適地とされている。

「このマップを...
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