地域の子育てサポートを活用しよう

横田 ここから地域の子育てサポートの話に移ります。その前に私の体験談ですが、妻が日曜日に仕事に出るときがあり、それが夏だと私が1人で3人の子どもたちをプールに連れて行っていました。そこで「お子さんから目を離さないでください!」と言われるんですが、3人がバラバラの方向に走っていくと目が追い付かないんです(笑)。そう言われ続けていると、だんだん外に出ること自体がおっくうになり切ないんですよ。

渡辺 それはママたちからもよく聞く話ですね。私は基本的に親だけで子育てをするのは無理だと思っているんです。子育てをしている人はもちろん、世の中の人みんなが「子どもは親だけがみるもの」という考えを捨てた方がいいと思います。横田さんは子育て支援センターを利用したり、ファミリーサポートを利用したりはしませんでしたか?

横田 子育て支援センターはよく行っていました。職員の方がみてくれますし、パパが珍しいからか手厚く受け入れられるような感じがして、そこはちょっと得をしたなと感じています(笑)。それ以外の支援に関しては、いざというときのために情報を集めていましたけど、子育てに他人が入ってくることに心理的なハードルを感じていて、ほとんど利用してこなかったんです。

渡辺 「他の人に頼ることをためらってしまう」ということはよく聞きますね。ですが、家族だけで抱え込まずに思い切って相談してほしいと思います。子育てに関して、自治体では一時預かりやファミリーサポート制度を用意しています。ファミリーサポート制度は研修を受けた地域の人たちが託児をしてくれるシステムで、一時預かりを利用できないときや、継続して預けたい場合にお薦めですよ。村上ohanaネットでも「子守りし隊」という同様のサービスを行っています。研修を受けたボランティアが2人体制で1人をみるやり方で、ファミリーサポートでは対応が難しいお子さんも手厚くみられるのが特長です。他にも双子などの多胎育児を行う家族の情報交換や支援を目的としたイベントなども行っています。このような私たち民間団体が提供しているサービスをうまく利用するのもありだと思いますよ。

なんぐ 私もぜひそのようなイベントに参加したいです。分からないことが多いので、他のパパやママからもいろいろ情報収集しようと思います!

横田 私と妻以外の大人が、わが子と触れ合っているのを見て新たに発見することもありますね。うちの子が習い事を始めてすぐに「やめる」と言い出し、先生にそれを伝えたら「自分がやりたくないことをはっきり言えるのは、ご両親に安心しているからこそですね」と言われたんですよ。習い事をすぐやめることをプラスに捉えていただけて、すごく気が楽になりました。

渡辺 そうですよね。逆に他人のお子さんの様子を見て「こんないいところがあるね」と声をかけることで、そのおうちの方が救われるかもしれません。

横田 今日は「いいパパとは?」というテーマで話し始めましたが、妊娠中やそれ以前に当事者意識を持つことの重要性が分かりました。また、男性の育休取得を後押しする職場環境や周囲の理解も必要です。子育ての当事者であるパパやママはもちろん、世の中の人も「親だけで子育てをすることは難しい」という認識を持ち、みんなで子育てをしていく社会になるといいですよね。

双子の子育てをはじめ、さまざまな話題が展開した座談会。当事者意識を持つことが何より大切になる