
政府は東京電力福島第1原発事故の発生以降に掲げていた「原発依存の低減」を改め、原発を最大限活用する方針に転換しました。12月からは新潟県の柏崎市と刈羽村に立地する東電柏崎刈羽原発の再稼働に向け、資源エネルギー庁が新潟県内28市町村を回って説明会を開く異例の対応を行っています。
こうした動きや再稼働問題を新潟県民はどう受け止めているのでしょうか。新潟日報社では、全会場の様子を取材し、質疑応答で語られた率直な声を順次紹介していきます。
【妙高会場の主な質疑】
参加者 6人
回答者 資源エネルギー庁原子力立地政策室企画官

Q (女性)核燃料の材料と調達先を教えてほしい。外国から調達すれば、エネルギーの輸入を減らそうとする国の方向性とは異なるのではないか。
A ウラン燃料は日本国内で生産できないので海外からの輸入になる。
燃料は国産エネルギーと純国産エネルギーというものがある。国産エネルギーは再生可能エネルギーで、純国産エネルギーが原子力関連の燃料になる。原子力燃料は一度輸入するとエネルギーが発生し続けるので、諸外国でも純国産という考え方が取られている。基本的には今、国内にある燃料で継続的に発電できるという状況だ。
Q (男性)高レベル放射性廃棄物原発の使用済み核燃料からプルトニウムなどを取り出す際に行う、「再処理」と呼ばれる工程で発生する廃棄物。廃液をガラスで固めた「ガラス固化体」を指す。「核のごみ」とも呼ばれる。日本ではガラス固化体を地中深くに埋めて処分する方針。の処分方法がはっきりしないのに、原子力発電所を動かしていいのか。地層処分原発で使用した燃料から再利用するためにウランとプルトニウムを取り出す「再処理」という工程で発生する再利用できない廃液などを地下深くに埋めて処分する方法。廃液は強い放射線を出すため、ガラスと混ぜて固めた上で地下深くの安定した岩盤に閉じ込める形で埋める。は地震多発国の日本でできるのか疑問だ。
A 地層処分という形は世界的な方向性だ。日本もその方策を取りたい。地層処分は大変に長い期間がかかるので、施設をどう維持していくかは避けては通れない課題と思っている。課題解決に向けて引き続き乗り越えていかなければいけないと考えている。
Q (女性)原発は電気代を安くするという話もあるが、放射性廃棄物の最終処分高レベル放射性廃棄物を最終的に処分すること。日本では地下300メートルより深い岩盤に埋める「地層処分」という方法を採用する。高レベル放射性廃棄物は、極めて強い放射線を長期間発するため、地下で数万年以上、人間の生活環境から隔離する方針。や廃炉になった後の管理を考えるとコストが安くなるのか疑問だ。費用を負担するのはどこか。
A 例えば再処理使用済み核燃料から再利用が可能なプルトニウムとウランを取り出す一連の作業。取り出した後はウラン燃料やMOX(混合酸化物)燃料の原料として使えるようにする。青森県六ケ所村で再処理工場が建設中だが、完成目標は何度も延期されている。工場は日本原燃使用済み核燃料を加工し、再利用する「核燃料サイクル」を商業利用することを目的に作られた日本の企業。ウランの濃縮、使用済み核燃料の再処理、低レベル放射性廃棄物の埋設、混合酸化物(MOX)燃料の製造などを行う。という会社が動かしているが、各電力事業者が再処理に関する費用を拠出している。
最終処分は、今は国が前面に立ち、広報や自治体とのコミュニケーションを取っているので、国も一定の費用を出している部分がある。
Q (女性)これから再処理が進んでいくと電気料金が上がる可能性もあり得ると解釈できる。
A 電気料金は...