
2007年7月16日に発生した中越沖地震2007年7月16日、新潟県の上中越沖を震源として発生した地震。新潟県内では柏崎刈羽原発が立地する柏崎市と刈羽村のほか、長岡市で震度6強、上越市や小千谷市、出雲崎町で震度6弱を観測した。新潟県によると、この地震の影響で15人が亡くなり、2316人が重軽傷を負った。住家の被害は、全壊が1331棟、大規模半壊、半壊が5710棟、一部損壊が3万7277棟。では、当時、東京電力柏崎刈羽原発柏崎市、刈羽村にある原子力発電所で、東京電力が運営する。1号機から7号機まで七つの原子炉がある。最も古い1号機は、1985年に営業運転を始めた。総出力は世界最大級の約821万キロワット。発電された電気は主に関東方面に送られる。2012年3月に6号機が停止してから、全ての原子炉の停止状態が続いている。東電が原発を再稼働させるには、原子力規制委員会の審査を通る必要がある。7号機は2020年に、6号機は2025年に全ての審査に「合格」した。7号機は2024年6月に技術的には再稼働できる状況が整った。周辺を含む広い範囲で通行止めが起きた。今後、柏崎刈羽原発で重大事故が起きた場合に、主要な避難路となるルートも多く含まれていた。原発事故と自然災害が重なる「複合災害」のリスクには、地震のほか、豪雨や大雪などもある。事故時、原発から半径5キロ圏の住民は優先的に避難することになるが、避難ルートとハザードマップを重ねると、避難計画の実効性を巡る課題が浮かび上がる。(本社原発問題取材班)...
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