避難者訴訟の控訴審判決後の報告集会で、原告らを前に判決内容を説明する弁護士=4月19日、東京都千代田区
避難者訴訟の控訴審判決後の報告集会で、原告らを前に判決内容を説明する弁護士=4月19日、東京都千代田区

 東京電力福島第1原発事故 2011年3月11日に発生した東日本大震災の地震と津波で、東電福島第1原発(福島県大熊町、双葉町)の6基のうち1~5号機で全交流電源が喪失し、1~3号機で炉心溶融(メルトダウン)が起きた。1、3、4号機は水素爆発し、大量の放射性物質が放出された。の避難者らによる新潟訴訟 東京電力福島第1原発事故で福島県から新潟県に避難を強いられたとして、約800人の住民らが国と東電に原告1人当たり1100万円の損害賠償を求めた訴訟。2013年7月の第1陣を皮切りに第4陣までが提訴。新潟地裁は21年6月の判決で国の責任を否定し、東電にのみ一部賠償を命じた。原告、被告の双方が控訴し、22年8月から東京高裁で控訴審が始まった。の控訴審判決が言い渡された4月19日、東京高裁に駆けつけた原告からは「避難の合理性を一部認め、全否定されなかった」と一定程度、評価する声が聞かれた。一方、新潟県内で判決を注視していた原告からは「被害の実態に向き合っていない」と憤る声も上がった。

 「原発事故を二度と起こさないために事故の要因を考え、見つめ続け、損害を受けた人の一日も早い...

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