「地域の会」定例会。委員が11月上旬に行われた情報共有会議について所感を述べた=12月4日夜、柏崎市荒浜1
「地域の会」定例会。委員が11月上旬に行われた情報共有会議について所感を述べた=12月4日夜、柏崎市荒浜1

 東京電力柏崎刈羽原発新潟県の柏崎市、刈羽村にある原子力発電所で、東京電力が運営する。1号機から7号機まで七つの原子炉がある。最も古い1号機は、1985年に営業運転を始めた。総出力は世界最大級の約821万キロワット。発電された電気は関東方面に送られる。2012年3月に6号機が停止してから、全ての原子炉の停止状態が続いている。東電が原発を再稼働させるには、原子力規制委員会の審査を通る必要がある。7号機は2020年に全ての審査に「合格」したが、安全対策を施している最中で、再稼働していない。の安全性を議論する「原発の透明性を確保する地域の会柏崎市と刈羽村の在住者で会が認める団体から推薦された委員で構成する会。原発賛成、反対、中立などさまざまな立場で構成する。原発の運転状況の確認や監視、東電などへの提言が役割で、原発の賛否は議論の対象としない。東電などに情報開示や現場確認の要求や提言はできるが、権限は持たない。2002年、東京電力による「トラブル隠し」問題の発覚を受け、03年に県、柏崎市などが設置した。運営は県の委託費で賄われる。」の定例会が12月4日、新潟県柏崎市荒浜1の柏崎原子力広報センターで開かれ、委員と花角英世知事や東電小早川智明社長らが出席した情報共有会議について、各委員が所感を述べた。国や柏崎市などが丁寧な説明をするべきだという声が上がった。

 情報共有会議は年1回あり、2024年は11月8日に柏崎市の桜井雅浩市長や刈羽村の品田宏夫村長、関係省庁の幹部も出席して開いた。

 定例会では、情報共有会議で委員の質問に対して、柏崎市が事前に書面で回答しなかったことに批判が相次いだ。市防災・原子力課の担当者は「桜井市長は、質問にその場で自分の言葉で返したいという意向があった。来年度以降は出せるかどうかを含めて検討したい」と答えた。三宮徳保会長は「来年度は必ず書面で回答するよう市長に伝えてほしい」と強く要望した。

 情報共有会議での議論を踏まえ、原発推進派の委員は早期再稼働東京電力福島第1原発事故を受け、国は原発の新規制基準をつくり、原子力規制委員会が原発の重大事故対策などを審査する。基準に適合していれば合格証に当たる審査書を決定し、再稼働の条件が整う。法律上の根拠はないが、地元の自治体の同意も再稼働に必要とされる。新潟県、柏崎市、刈羽村は県と立地2市村が「同意」する地元の範囲だとしている。を求め、反対派の委員は再稼働を巡る地元同意に関する首長の考え方に苦言を呈した。

 桜井市長が「(県と柏崎市、刈羽村が東電と結んだ)安全協定には法的な位置づけはない」と発言したことについて、星野俊彦委員は「歴代市長は(東電の)エラーがあるたびに、苦心をしながら安全協定を作り上げた。歴史を踏まえると、市長の発言は残念」と述べた。

 経済産業省資源エネルギー庁が再稼働の必要性などを伝えるため、10日から県内28市町村で順次行う説明会を、柏崎市と刈羽村で実施しないことについて、疑問の声が上がった。安野検一委員は「(再稼働を容認する首長の姿勢に)市民村民の全員が納得しているわけではない。トップが...

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