地域支援団体「このゆびとまれ」の活動場所でメンバーと談笑する宍戸晃さん(左)=3月5日、福島県南相馬市
地域支援団体「このゆびとまれ」の活動場所でメンバーと談笑する宍戸晃さん(左)=3月5日、福島県南相馬市

 「頑張れと言われると、何を頑張ればと思ってしまったが、山古志の人は『負けるなよ』『大丈夫だ』と言葉をたくさんかけてくれた。勇気をもらえた」

 東日本大震災の福島第1原発事故で、福島県南相馬市から新潟県長岡市に身を寄せた宍戸晃さん(89)は帰郷した今も、避難中、2004年の中越地震を経験した山古志の住民らに励まされたことを度々思い出す。

 13年前の3月11日、住んでいた南相馬市鹿島区は震度6弱の揺れに襲われた。津波を恐れ、近くの山へ逃げた。町が津波に飲み込まれていくのを、ただ見つめるしかなかった。

 幸い自宅は倒壊を免れたが、原発から約30キロほど離れた鹿島区の住民は避難を余儀なくされた。体育館に...

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