2011年3月11日の東日本大震災を受け、東京電力福島第1原発では全電源が失われ、1〜3号機で原子炉から核燃料が溶け落ちる炉心溶融(メルトダウン)が起きた。溶融核燃料(デブリ)の取り出しは最難関とされ、2号機で2023年度に開始の予定が先送りされた。事故から13年を迎える今も、廃炉への道筋は見えない。

◆最初に取り出し予定の2号機、同じ構造の5号機へ

 東京電力福島第1原発1〜3号機からの溶融核燃料(デブリ)の取り出しは、最初に2号機で予定されている。2号機と同じ構造であることから、デブリ採取のシミュレーションに活用されているのが5号機だ。その内部に1月末、日本記者クラブ取材団の一員として入り、作業が難航している背景を取材した。(新潟日報本社...

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