飯舘村の現状について報告する伊藤延由さん=柏崎市
飯舘村の現状について報告する伊藤延由さん=柏崎市

 福島県飯舘村に住み、東京電力福島第1原発事故2011年3月11日に発生した東日本大震災の地震と津波で、東京電力福島第1原発(福島県大熊町、双葉町)の6基のうち1~5号機で全交流電源が喪失し、1~3号機で炉心溶融(メルトダウン)が起きた。1、3、4号機は水素爆発し、大量の放射性物質が放出された。を風化させない活動を続ける伊藤延由(のぶよし)さん(81)=新潟市東区出身=の現地報告会が、柏崎市産業文化会館で開かれた。「飯舘の人の心、豊かな自然を一瞬にして奪ったのが福島事故だった」と語り、原発再稼働東京電力福島第1原発事故を受け、国は原発の新規制基準をつくり、原子力規制委員会が原発の重大事故対策などを審査する。基準に適合していれば合格証に当たる審査書を決定し、再稼働の条件が整う。法律上の根拠はないが、地元の自治体の同意も再稼働に必要とされる。新潟県、柏崎市、刈羽村は県と立地2市村が「同意」する地元の範囲だとしている。を目指す国や東電の姿勢を批判した。

 伊藤さんは、新潟鉄工所に勤めた経験があり、2010年に農業研修施設の管理人を務めるに当たり、飯舘村に移住した。

 11年に福島原発事故が発生。大量の放射性物質が村に飛来し、土壌が汚染され、平穏な生活が暗転した。伊藤さんは事故直後から村の植物やキノコなどの放射線レベル、空間線量などを計測し続け、国内外に「原発事故は終...

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